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最期はどこで迎えるか
老後生活を自宅でするか、老人ホームでするかの選択は、本人にとっても家族にとっても難しいものがあります。ましてや最期をどこで迎えるかという問題は、それが「いつ」のことになるのかが不明であることもあって、非常に難しい問題となります。
「終末期をどこで療養したいか」という問いが2003年の厚生労働省の調査にありました。その問いに対し、6割が「できるだけ自宅で」と答えています。確かに近年、在宅医療が広がりつつありますが、その一方で在宅医療を支える訪問看護師の確保は難しいという現状があり、自宅での「医療事故」の増加も問題になっています。
では、老人ホームなら常に安心かというと、老人ホームの中でも特にグループホームなどの場合、介護職員は医療行為(たとえば点滴の針を抜くなどの行為です)を行うことはできません。そのため、医療機関と老人ホームとの連携が不可欠となります。ただし、現状においてはそれぞれのホームによってその対応に差があります。終末期の対応について、全国認知症グループホーム協会の2005年調査では、「できる」「できない」の割合は、「できる」が45パーセント、「できない」が25パーセントです。同調査では入所者のご家族の6割がホームでの看取りを希望しているとのことです。
また、同グループホーム協会の調査では、今後の終末期の対応について36パーセントが「積極的に取り組むべき」と答えたのに対し、「好ましくない」が11パーセントです。「方針が明確でない・想定していない」という回答は30パーセントでした。
厚生労働省は、急速な高齢化に伴う医療費の増大を抑えるために、入院日数や療養病床数を減らす方針を打ち出しています。病院でないなら在宅か、あるいは老人ホームということになります。「看取り」の問題も、老人ホームの選択のもう一つの重要なポイントとして視野にいれておくべきではないでしょうか。
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